道路交通法 第75条 自動車の使用者の義務等
この条のポイント
自動車の使用者(会社など)が、運転者に違反を命じたり容認したりすることを禁止した条です。
自動車の使用者等(安全運転管理者などを含む)は、業務に関して、運転者に次の行為を命じたり、容認したりしてはいけません。無免許運転(免許停止中を含む)、最高速度違反(第22条第1項)、酒気帯び運転(第65条第1項)、過労運転など(第66条)、免許の種類に合わない車の運転(第85条第5項〜第10項)、積載の制限違反(第57条第1項)、駐車違反となる状態で車から離れる行為です(第1項)。
これに違反し、運転者がそうした行為をした場合に、使用者が自動車を使うことがひどく交通の危険や妨害となるおそれがあるときは、公安委員会は、6か月を超えない範囲で、その自動車を運転させてはならないと命じることができます(第2項)。この命令の前には聴聞が行われ(第4項〜第8項)、命令を受けた自動車には標章が貼られます(第9項)。
条文(原文)
自動車(重被牽引車を含む。以下この条、次条第一項及び第七十五条の二の二第二項において同じ。)の使用者(安全運転管理者等その他自動車の運行を直接管理する地位にある者を含む。次項において「使用者等」という。)は、その者の業務に関し、自動車の運転者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることを命じ、又は自動車の運転者がこれらの行為をすることを容認してはならない。
一 第八十四条第一項の規定による公安委員会の運転免許を受けている者(第百七条の二の規定により国際運転免許証又は外国運転免許証で自動車を運転することができることとされている者を含む。以下この項において同じ。)でなければ運転することができないこととされている自動車を当該運転免許を受けている者以外の者(第九十条第五項、第百三条第一項若しくは第四項、第百三条の二第一項、第百四条の二の三第一項若しくは第三項又は同条第五項において準用する第百三条第四項の規定により当該運転免許の効力が停止されている者を含む。)が運転すること。
二 第二十二条第一項の規定に違反して自動車を運転すること。
三 第六十五条第一項の規定に違反して自動車を運転すること。
四 第六十六条の規定に違反して自動車を運転すること。
五 第八十五条第五項の規定に違反して大型自動車、中型自動車若しくは準中型自動車を運転し、同条第六項の規定に違反して中型自動車若しくは準中型自動車を運転し、同条第七項の規定に違反して準中型自動車若しくは普通自動車を運転し、同条第八項の規定に違反して普通自動車を運転し、同条第九項の規定に違反して大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車を運転し、又は同条第十項の規定に違反して普通自動二輪車を運転すること。
六 第五十七条第一項の規定に違反して積載をして自動車を運転すること。
七 自動車を離れて直ちに運転することができない状態にする行為(当該行為により自動車が第四十四条第一項、第四十五条第一項若しくは第二項、第四十七条第二項若しくは第三項、第四十八条、第四十九条の三第三項、第四十九条の四若しくは第七十五条の八第一項の規定に違反して駐車することとなる場合のもの又は自動車がこれらの規定に違反して駐車している場合におけるものに限る。)
2 自動車の使用者等が前項の規定に違反し、当該違反により自動車の運転者が同項各号のいずれかに掲げる行為をした場合において、自動車の使用者がその者の業務に関し自動車を使用することが著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく交通の妨害となるおそれがあると認めるときは、当該違反に係る自動車の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、当該自動車の使用者に対し、六月を超えない範囲内で期間を定めて、当該違反に係る自動車を運転し、又は運転させてはならない旨を命ずることができる。
3 公安委員会は、前項の規定による命令をしようとする場合において、当該命令に係る自動車の使用者が道路運送法の規定による自動車運送事業者又は貨物利用運送事業法の規定による第二種貨物利用運送事業を経営する者であるときは、当該事業を監督する行政庁の意見を聴かなければならない。
4 公安委員会は、第二項の規定による命令をしようとするときは、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
5 公安委員会は、前項の聴聞を行うに当たつては、その期日の一週間前までに、行政手続法第十五条第一項の規定による通知をし、かつ、聴聞の期日及び場所を公示しなければならない。
6 前項の通知を行政手続法第十五条第三項に規定する方法によつて行う場合においては、同条第一項の規定により聴聞の期日までにおくべき相当な期間は、二週間を下回つてはならない。
7 第四項の聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。
8 第四項の聴聞の主宰者は、必要があると認めるときは、道路交通に関する事項に関し専門的知識を有する参考人又は当該事案の関係人の出頭を求め、これらの者からその意見又は事情を聴くことができる。
9 公安委員会は、第二項の規定による命令をしたときは、当該命令を受けた自動車の使用者に対し、運転し、又は運転させてはならないこととなる自動車の番号標の番号その他の内閣府令で定める事項を記載した文書を交付し、かつ、当該自動車の前面の見やすい箇所に内閣府令で定める様式の標章をはり付けるものとする。
10 前項の規定により標章をはり付けられた自動車について、当該自動車の使用者から当該自動車を買い受けた者その他当該自動車の使用について権原を有する第三者は、内閣府令で定めるところにより、公安委員会に対し、当該標章を取り除くべきことを申請することができる。この場合において、公安委員会は、当該標章を取り除かなければならない。
11 何人も、第九項の規定によりはり付けられた標章を破損し、又は汚損してはならず、また、当該自動車に係る運転の禁止の期間を経過した後でなければ、これを取り除いてはならない。
関連条文
この条文の中で参照している道路交通法の条です。
- 第75条の2の2 報告又は資料の提出
- 第84条 運転免許
- 第107条の2 国際運転免許証又は外国運転免許証を所持する者の自動車等の運転
- 第90条 免許の拒否等
- 第103条 免許の取消し、停止等
- 第103条の2 免許の効力の仮停止
- 第104条の2の3 臨時適性検査に係る取消し等
- 第22条 最高速度
- 第65条 酒気帯び運転等の禁止
- 第66条 過労運転等の禁止
- 第85条 第一種免許
- 第57条 乗車又は積載の制限等
- 第44条 停車及び駐車を禁止する場所
- 第45条 駐車を禁止する場所
- 第47条 停車又は駐車の方法
- 第48条 停車又は駐車の方法の特例
- 第49条の3 時間制限駐車区間における駐車の方法等
- 第49条の4 高齢運転者等専用時間制限駐車区間における駐車の禁止
- 第75条の8 停車及び駐車の禁止
道路交通法施行令で、この条(法第75条)を引いている条です(クリックで条文を表示)。
道路交通法施行令第二十六条の六 (自動車の使用の制限の基準)
法第七十五条第二項の政令で定める基準は、次に掲げるとおりとする。
一 自動車(法第五十一条の四第一項に規定する重被牽引車(以下「重被牽引車」という。)を含む。以下この条及び次条において同じ。)の使用者(安全運転管理者、副安全運転管理者その他自動車の運行を直接管理する地位にある者を含む。以下この条において「使用者等」という。)が次の表の上欄に掲げる違反行為をし、当該違反行為により自動車の運転者が同表の下欄に掲げる違反行為をしたときは、六月を超えない範囲内の期間、当該違反行為に係る自動車を運転し、又は運転させてはならない旨を命ずるものとする。
二 自動車の使用者等が次の表の上欄に掲げる違反行為をし、当該違反行為により自動車の運転者が同表の中欄に掲げる違反行為をした場合において、同表の下欄に掲げるいずれかの事情があるときは、三月を超えない範囲内の期間、当該違反行為に係る自動車を運転し、又は運転させてはならない旨を命ずることができる。
道路交通法施行令第二十六条の八 (車両の使用の制限の基準)
法第七十五条の二第二項の政令で定める基準は、公安委員会が法第五十一条の四第一項の規定により標章が取り付けられた車両の使用者に対し納付命令をした場合において、当該使用者が、当該標章が取り付けられた日前六月以内に、次の表一の上欄に掲げる前歴の回数の区分に応じそれぞれ同表の下欄に定める納付命令の回数以上、当該車両が原因となつた納付命令(同条第十六項の規定により取り消されたものを除くほか、当該標章が取り付けられた日において、当該使用者が当該車両につき法第七十五条第二項(同条第一項第七号に掲げる行為に係る部分に限る。以下この条において同じ。)又は法第七十五条の二第二項の規定による公安委員会の命令を受け、かつ、当該命令に従つて当該命令に係る運転の禁止の期間を経過したことがある場合には、当該命令を受ける前に取り付けられた標章に係るものを除く。)を受けたことがあるときは、当該車両の次の表二の上欄に掲げる種類に応じ、それぞれ同表の下欄に定める期間の範囲内において、当該車両を運転し、又は運転させてはならない旨を命ずることができることとする。
道路交通法施行規則で、この条(法第75条)を引いている条です(クリックで条文を表示)。
道路交通法施行規則第七条の八 (国家公安委員会への報告)
法第五十一条の六第一項の内閣府令で定める事由は、次のとおりとする。
一 法第七十五条第二項(同条第一項第七号に掲げる行為に係る部分に限る。)又は法第七十五条の二第二項の規定による公安委員会の命令(次号及び次条において「放置関係使用制限命令」という。)を受けたこと。
二 放置関係使用制限命令に違反したこと。
道路交通法施行規則第九条の十 (安全運転管理者の業務)
法第七十四条の三第二項の内閣府令で定める業務は、次に掲げるとおりとする。
一 自動車の運転に関する運転者の適性、技能及び知識並びに法及び法に基づく命令の規定並びに法の規定に基づく処分の運転者による遵守の状況を把握するための措置を講ずること。
二 法第二十二条の二第一項に規定する最高速度違反行為、法第五十八条の三第一項に規定する過積載をして自動車を運転する行為、法第六十六条の二第一項に規定する過労運転及び法第七十五条第一項第七号に掲げる行為の防止その他安全な運転の確保に留意して、自動車の運行計画を作成すること。
三 運転者が長距離の運転又は夜間の運転に従事する場合であつて、疲労等により安全な運転を継続することができないおそれがあるときは、あらかじめ、交替するための運転者を配置すること。
四 異常な気象、天災その他の理由により、安全な運転の確保に支障が生ずるおそれがあるときは、運転者に対する必要な指示その他安全な運転の確保を図るための措置を講ずること。
五 運転しようとする運転者に対して点呼を行う等により、道路運送車両法第四十七条の二第二項の規定により当該運転者が行わなければならないこととされている自動車の点検の実施及び過労、病気その他の理由により正常な運転をすることができないおそれの有無を確認し、安全な運転を確保するために必要な指示を与えること。
六 運転しようとする運転者及び運転を終了した運転者に対し、酒気帯びの有無について、当該運転者の状態を目視等で確認するほか、アルコール検知器(呼気に含まれるアルコールを検知する機器であつて、国家公安委員会が定めるものをいう。次号において同じ。)を用いて確認を行うこと。
七 前号の規定による確認の内容を記録し、及びその記録を一年間保存し、並びにアルコール検知器を常時有効に保持すること。
八 運転者名、運転の開始及び終了の日時、運転した距離その他自動車の運転の状況を把握するため必要な事項を記録する日誌を備え付け、運転を終了した運転者に記録させること。
九 運転者に対し、自動車の運転に関する技能、知識その他安全な運転を確保するため必要な事項について指導を行うこと(法第七十四条の三第二項に規定する交通安全教育を行うことを除く。)。
道路交通法施行規則第九条の十三の二 (聴聞の手続)
法第七十五条第五項(法第七十五条の二第三項において準用する場合を含む。)の規定による聴聞の期日及び場所の公示は、インターネットの利用その他の方法により行うものとする。
道路交通法施行規則第九条の十四 (車両の使用制限書の記載事項)
法第七十五条第九項及び法第七十五条の二第三項において準用する法第七十五条第九項の内閣府令で定める事項は、次に掲げるものとする。
一 法第七十五条第二項又は法第七十五条の二第一項若しくは第二項の規定による公安委員会の命令(以下この条及び第九条の十六において「命令」という。)の年月日
二 命令を受けた車両の使用者の氏名(法人にあつては、その名称及び代表者の氏名)及び住所
三 命令に係る車両の使用の本拠の名称及び位置
四 命令に係る車両の番号標の番号
五 命令に係る車両を運転し、又は運転させてはならないこととなる期間及びその理由
道路交通法施行規則第九条の十五 (標章の様式)
法第七十五条第九項(法第七十五条の二第三項において準用する場合を含む。)の内閣府令で定める様式は、別記様式第五の三のとおりとする。
道路交通法施行規則第九条の十六 (申請の手続)
法第七十五条第十項(法第七十五条の二第三項において準用する場合を含む。)の規定による申請は、別記様式第五の四の標章除去申請書及び次に掲げる書類を提出(第二号及び第四号に掲げるものについては、提示)して行うものとする。
一 標章の除去を申請しようとする者(以下この条において「標章除去申請者」という。)が住民基本台帳法の適用を受ける者である場合にあつては、住民票の写し
二 標章除去申請者が住民基本台帳法の適用を受けない者(自然人に限る。)である場合にあつては、旅券等
三 標章除去申請者が法人である場合にあつては、登記事項証明書
四 申請に係る車両が自動車である場合にあつては、道路運送車両法第六十条第一項に規定する自動車検査証
五 申請に係る車両が自動車である場合にあつては、自動車の保管場所の確保等に関する法律(昭和三十七年法律第百四十五号)第三条に規定する保管場所が確保されていることを明らかにする書面の写し
六 標章除去申請者が申請に係る車両の使用について権原を有することを証明する書類
七 命令の期間における車両の使用に関し、標章除去申請者と命令を受けた者との法律関係を明らかにする書類(当該期間において命令を受けた者に当該車両を使用させない旨を誓約する標章除去申請者の書面を含む。)
出典
- e-Gov 法令検索「道路交通法」(昭和三十五年法律第百五号)2026年7月21日施行版 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105(2026年10月27日取得)
- e-Gov 法令検索「道路交通法施行令」(昭和三十五年政令第二百七十号)2026年9月1日施行版 https://laws.e-gov.go.jp/law/335CO0000000270(2026年10月27日取得)
- e-Gov 法令検索「道路交通法施行規則」(昭和三十五年総理府令第六十号)2026年9月1日施行版 https://laws.e-gov.go.jp/law/335M50000002060(2026年10月27日取得)
このページは、e-Gov 法令検索で公開されている条文をもとに、内容をわかりやすく言い換えたものです。解説は条文を読みやすくするための要約で、法的な判断や個別の事例への当てはめを示すものではありません。正確な内容は、必ず原文(e-Gov 法令検索)で確認してください。法令は改正されることがあります。
