道路交通法 第51条 違法駐車に対する措置
この条のポイント
違法駐車に対する措置(移動の命令・レッカー移動・保管など)を定めた条です。駐車禁止場所での駐車などの違法駐車と認められる場合、警察官等は、運転者など車両の管理に責任のある人に、駐車の方法を変えるか、車を移動するよう命じることができます(第1項)。故障などですぐに従えないとき(第2項)や、運転者等が現場にいないとき(第3項)は、警察官等が自ら移動などの措置をとれます。第3項の移動先は、50メートルを超えない道路上の場所です。
その範囲に移動する場所がないときは警察署長に報告し(第4項)、警察署長が駐車場などに移動して保管します(第5項・第6項)。保管した車は使用者や所有者に告知し、知れないときは公示します(第7項〜第10項)。一定期間返還できないときは売却・廃棄・都道府県への帰属があり得ます(第12項・第13項・第20項)。移動や保管にかかった費用は運転者や使用者などの負担です(第15項)。
条文(原文)
車両が第四十四条第一項、第四十五条第一項若しくは第二項、第四十七条第二項若しくは第三項、第四十八条、第四十九条の三第二項若しくは第三項、第四十九条の四若しくは第四十九条の五後段の規定に違反して駐車していると認められるとき、又は第四十九条第一項のパーキング・チケット発給設備を設置する時間制限駐車区間において駐車している場合において当該車両に当該パーキング・チケット発給設備により発給を受けたパーキング・チケットが掲示されておらず、かつ、第四十九条の三第四項の規定に違反していると認められるとき(第五十一条の四第一項及び第七十五条の二十二第三項において「違法駐車と認められる場合」と総称する。)は、警察官等は、当該車両の運転者その他当該車両の管理について責任がある者(以下この条において「運転者等」という。)に対し、当該車両の駐車の方法を変更し、若しくは当該車両を当該駐車が禁止されている場所から移動すべきこと又は当該車両を当該時間制限駐車区間の当該車両が駐車している場所から移動すべきことを命ずることができる。
2 車両の故障その他の理由により当該車両の運転者等が直ちに前項の規定による命令に従うことが困難であると認められるときは、警察官等は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要な限度において、当該車両の駐車の方法を変更し、又は当該車両を移動することができる。
3 第一項の場合において、現場に当該車両の運転者等がいないために、当該運転者等に対して同項の規定による命令をすることができないときは、警察官等は、道路における交通の危険を防止し、又は交通の円滑を図るため必要な限度において、当該車両の駐車の方法の変更その他必要な措置をとり、又は当該車両が駐車している場所からの距離が五十メートルを超えない道路上の場所に当該車両を移動することができる。
4 前項の規定により車両の移動をしようとする場合において、当該車両が駐車している場所からの距離が五十メートルを超えない範囲の地域内の道路上に当該車両を移動する場所がないときは、警察官等は、当該車両が駐車している場所を管轄する警察署長にその旨を報告しなければならない。
5 前項の報告を受けた警察署長は、駐車場、空地、第三項に規定する場所以外の道路上の場所その他の場所に当該車両を移動することができる。
6 警察署長は、前項の規定により車両を移動したときは、当該車両を保管しなければならない。この場合において、警察署長は、車両の保管の場所の形状、管理の態様等に応じ、当該車両に係る盗難等の事故の発生を防止するため、警察署長が当該車両を保管している旨の表示、車輪止め装置の取付けその他の必要な措置を講じなければならない。
7 警察署長は、前項の規定により車両を保管したときは、当該車両の使用者に対し、保管を始めた日時及び保管の場所並びに当該車両を速やかに引き取るべき旨を告知しなければならない。
8 警察署長は、前項の場合において、当該車両の使用者の氏名及び住所を知ることができないとき、その他当該使用者に当該車両を返還することが困難であると認められるときは、当該車両の所有者に対し、同項に規定する旨を告知しなければならない。
9 警察署長は、前項の場合において、当該車両の所有者の氏名及び住所を知ることができないときは、政令で定めるところにより、当該車両の保管の場所その他の政令で定める事項を公示しなければならない。
10 警察署長は、前項の規定による公示をしたときは、内閣府令で定めるところにより、当該公示の日付及び内容をインターネットの利用その他の方法により公表するものとする。
11 第七項から前項までに定めるもののほか、第六項の規定により保管した車両の返還に関し必要な事項は、政令で定める。
12 警察署長は、第六項の規定により保管した車両につき、第八項の規定による告知の日又は第九項の規定による公示の日から起算して一月を経過してもなお当該車両を返還することができない場合において、政令で定めるところにより評価した当該車両の価額に比し、その保管に不相当な費用を要するときは、政令で定めるところにより、当該車両を売却し、その売却した代金を保管することができる。
13 警察署長は、前項の規定による車両の売却につき買受人がない場合において、同項に規定する価額が著しく低いときは、当該車両を廃棄することができる。
14 第十二項の規定により売却した代金は、売却に要した費用に充てることができる。
15 第二項、第三項又は第五項から第十一項までの規定による車両の移動、車両の保管、公示その他の措置に要した費用は、当該車両の運転者等又は使用者若しくは所有者(以下この条及び次条において「使用者等」という。)の負担とする。
16 警察署長は、前項の規定により運転者等又は使用者等の負担とされる負担金につき納付すべき金額、納付の期限及び場所を定め、これらの者に対し、文書でその納付を命じなければならない。この場合において、納付すべき金額は、同項に規定する費用につき実費を勘案して都道府県規則でその額を定めたときは、その定めた額とする。
17 警察署長は、前項の規定により納付を命ぜられた者が納付の期限を経過しても負担金を納付しないときは、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。この場合において、警察署長は、負担金につき年十四・五パーセントの割合により計算した額の範囲内の延滞金及び督促に要した手数料を徴収することができる。
18 前項の規定による督促を受けた者がその指定期限までに負担金並びに同項後段の延滞金及び手数料(以下この条において「負担金等」という。)を納付しないときは、警察署長は、地方税の滞納処分の例により、負担金等を徴収することができる。この場合における負担金等の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
19 納付され、又は徴収された負担金等は、当該警察署の属する都道府県の収入とする。
20 第八項の規定による告知の日又は第九項の規定による公示の日から起算して三月を経過してもなお第六項の規定により保管した車両(第十二項の規定により売却した代金を含む。以下この項において同じ。)を返還することができないときは、当該車両の所有権は、当該警察署の属する都道府県に帰属する。
21 警察署長は、第十二項の規定による車両(道路運送車両法による登録を受けた自動車に限る。以下この項において同じ。)の売却、第十三項の規定による車両の廃棄又は前項の規定による車両の所有権の都道府県への帰属があつたときは、政令で定めるところにより、当該車両について、これらの処分等に係る同法による登録を国土交通大臣又は同法第百五条第一項若しくは第二項の規定により委任を受けた者に嘱託しなければならない。
22 第六項、第七項及び第九項から第二十項までの規定は、第六項の規定により保管した車両に積載物があつた場合における当該積載物について準用する。この場合において、第七項中「使用者」とあるのは「所有者、占有者その他当該積載物について権原を有する者(以下この条において「所有者等」という。)」と、第九項中「前項」とあるのは「第二十二項において読み替えて準用する第七項」と、「知ることができない」とあるのは「知ることができず、かつ、当該積載物の所有者以外の者に当該積載物を返還することが困難であると認められる」と、第十一項中「第七項から前項まで」とあるのは「第二十二項において読み替えて準用する第七項及び前二項」と、第十二項中「第八項の規定による告知の日又は」とあるのは「腐敗し、若しくは変質するおそれがあるとき、又は第二十二項において読み替えて準用する第七項の規定による当該積載物の所有者に対する告知の日若しくは」と、「費用」とあるのは「費用若しくは手数」と、第十五項中「第二項、第三項又は第五項から第十一項までの規定による車両の移動、」とあるのは「第二十二項において準用する第六項、第七項又は第九項から第十一項までの規定による」と、「運転者等又は使用者若しくは所有者(以下この条及び次条において「使用者等」という。)」とあるのは「所有者等」と、第十六項中「運転者等又は使用者等」とあるのは「所有者等」と、第二十項中「第八項の規定による」とあるのは「第二十二項において読み替えて準用する第七項の規定による当該積載物の所有者に対する」と読み替えるものとする。
関連条文
この条文の中で参照している道路交通法の条です。
- 第44条 停車及び駐車を禁止する場所
- 第45条 駐車を禁止する場所
- 第47条 停車又は駐車の方法
- 第48条 停車又は駐車の方法の特例
- 第49条の3 時間制限駐車区間における駐車の方法等
- 第49条の4 高齢運転者等専用時間制限駐車区間における駐車の禁止
- 第49条の5 時間制限駐車区間における駐車の特例
- 第49条 時間制限駐車区間
- 第51条の4 放置違反金
- 第75条の22 特定自動運行が終了した場合の措置
道路交通法施行令で、この条(法第51条)を引いている条です(クリックで条文を表示)。
道路交通法施行令第十四条の八 (車両を返還する場合の手続)
警察署長は、法第五十一条第六項の規定により保管した車両を当該車両の使用者又は所有者に返還するときは、返還を受ける者にその氏名及び住所を証するに足りる書類を提示させる等の方法によつてその者が当該車両の返還を受けるべき使用者又は所有者であることを証明させ、かつ、内閣府令で定める様式による受領書と引換えに返還するものとする。
道路交通法施行令第十五条 (車両を保管した場合の公示事項)
法第五十一条第九項の政令で定める事項は、次に掲げるとおりとする。
一 保管した車両の車名、型式、塗色及び番号標に表示されている番号
二 保管した車両が駐車していた場所及びその車両を移動した日時
三 その車両の保管を始めた日時及び保管の場所
四 前各号に掲げるもののほか、保管した車両を返還するため必要と認められる事項
道路交通法施行令第十六条 (車両を保管した場合の公示の方法)
法第五十一条第九項の規定による公示は、次に掲げる方法により行わなければならない。
一 前条各号に掲げる事項を、保管を始めた日から起算して五日を経過した日から十四日間、当該警察署の掲示板に掲示すること。
二 内閣府令で定める様式による保管車両一覧簿を当該警察署に備え付け、かつ、これをいつでも関係者に自由に閲覧させること。
道路交通法施行令第十六条の二 (車両の価額の評価の方法)
法第五十一条第十二項の規定による車両の価額の評価は、取引の実例価格、当該車両の使用年数、損耗の程度その他当該車両の価額の評価に関する事情を勘案してするものとする。この場合において、警察署長は、必要があると認めるときは、車両の価額の評価に関し専門的知識を有する者の意見を聴くことができる。
道路交通法施行令第十六条の三 (保管した車両を売却する場合の手続)
法第五十一条第十二項の規定による車両の売却は、競争入札に付して行わなければならない。ただし、競争入札に付しても入札者がない車両については、随意契約により売却することができる。
道路交通法施行令第十六条の五 (登録の嘱託)
法第五十一条第二十一項の規定による登録の嘱託は、嘱託書に登録の原因を証する書面を添付してするものとする。
道路交通法施行令第十七条 (保管した車両に関する規定の準用)
第十四条の八から第十六条の四までの規定は、法第五十一条第二十二項において準用する同条第六項の規定により保管した積載物について準用する。この場合において、第十四条の八中「使用者又は所有者」とあるのは「所有者、占有者その他当該積載物について権原を有する者」と、第十五条第一号中「車両」とあるのは「積載物の名称又は種類、形状及び数量並びにその積載物が積載されていた車両」と、同条第二号中「車両」とあるのは「積載物が積載されていた車両」と、第十六条第二号中「保管車両一覧簿」とあるのは「保管積載物一覧簿」と、第十六条の三中「入札者がない車両」とあるのは「入札者がない積載物、速やかに売却しなければ価値が著しく減少するおそれのある積載物その他競争入札に付することが適当でないと認められる積載物」と、第十六条の四第一項、第二項及び第四項中「車両の車名、型式、塗色及び番号標に表示されている番号」とあるのは「積載物の名称又は種類、形状及び数量」と、同項中「抵当権」とあるのは「質権、抵当権、先取特権、留置権その他の権利」と読み替えるものとする。
道路交通法施行令第十七条の二 (委託することのできない事務)
法第五十一条の三第一項の政令で定めるものは、次に掲げるとおりとする。
一 法第五十一条第五項の規定による車両の移動の決定
二 法第五十一条第六項(同条第二十二項において準用する場合を含む。)の規定により保管した車両(積載物を含む。以下この条において同じ。)の返還の決定
三 法第五十一条第七項(同条第二十二項において読み替えて準用する場合を含む。)又は第八項の規定による告知
四 法第五十一条第九項(同条第二十二項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による公示
五 法第五十一条第十項(同条第二十二項において準用する場合を含む。)の規定による公示の日付及び内容の公表
六 法第五十一条第十二項(同条第二十二項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による車両の売却の決定
七 法第五十一条第十三項(同条第二十二項において準用する場合を含む。)の規定による車両の廃棄の決定
八 法第五十一条第十六項(同条第二十二項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による命令
九 法第五十一条第十七項(同条第二十二項において準用する場合を含む。)の規定による督促
十 法第五十一条第十八項(同条第二十二項において準用する場合を含む。)の規定による徴収
十一 法第五十一条第二十一項の規定による登録の嘱託
道路交通法施行規則で、この条(法第51条)を引いている条です(クリックで条文を表示)。
道路交通法施行規則第七条の二の二 (警察署長による公表)
法第五十一条第十項(同条第二十二項並びに法第七十二条の二第三項(法第七十五条の二十三第六項において準用する場合を含む。)及び第七十五条の八第二項において準用する場合を含む。)の規定による公表は、法第五十一条第六項(法第七十五条の八第二項において準用する場合を含む。)の規定により保管した車両の使用者若しくは所有者、法第五十一条第二十二項において準用する同条第六項の規定により保管した積載物の所有者、占有者その他当該積載物について権原を有する者若しくは法第七十二条の二第二項後段(法第七十五条の二十三第六項において準用する場合を含む。)の規定により保管した損壊物等の所有者、占有者その他当該損壊物等について権原を有する者が判明するまでの間又は法第五十一条第九項の規定による公示の日から起算して三月を経過する日までの間、インターネットの利用により公表することにより行うものとする。
出典
- e-Gov 法令検索「道路交通法」(昭和三十五年法律第百五号)2026年7月21日施行版 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105(2026年10月27日取得)
- e-Gov 法令検索「道路交通法施行令」(昭和三十五年政令第二百七十号)2026年9月1日施行版 https://laws.e-gov.go.jp/law/335CO0000000270(2026年10月27日取得)
- e-Gov 法令検索「道路交通法施行規則」(昭和三十五年総理府令第六十号)2026年9月1日施行版 https://laws.e-gov.go.jp/law/335M50000002060(2026年10月27日取得)
このページは、e-Gov 法令検索で公開されている条文をもとに、内容をわかりやすく言い換えたものです。解説は条文を読みやすくするための要約で、法的な判断や個別の事例への当てはめを示すものではありません。正確な内容は、必ず原文(e-Gov 法令検索)で確認してください。法令は改正されることがあります。
