道路交通法 第81条 違法工作物等に対する措置

第五章 道路の使用等 第二節 危険防止等の措置

この条のポイント

違法な工作物や物件に対して、警察署長がとれる措置を定めた条です。

警察署長は、信号機に似た物などをみだりに設置した人(第76条第1項・第2項違反)、交通の妨げになる方法で道路に物を置いた人(同条第3項違反)、許可を受けずに工事や工作物の設置をした人、許可の条件に違反した人、許可が終わっても道路を元に戻さなかった人に対し、工作物等の除去・移転・改修や工事の中止など、必要な措置を命じることができます(第1項)。

違反した人の氏名・住所が分からないときは、警察署長が自ら措置をとり、除去した物は保管します(第2項)。保管した物は公示して返還に努め(第3項)、一定の場合は売却・廃棄でき(第4項・第5項)、費用は占有者などの負担となります(第7項)。公示から6か月たっても返還できないときは、都道府県のものになります(第12項)。

この条の規定に違反したときの罰則は、第119条で定められています(罰則の条の原文で確認してください)。

条文(原文)

第八十一条 (違法工作物等に対する措置)

警察署長は、次の各号のいずれかに該当する者に対し、当該違反行為に係る工作物又は物件(以下この節において「工作物等」という。)の除去、移転又は改修、当該違反行為に係る工事又は作業(以下この節において「工事等」という。)の中止その他当該違反行為に係る工作物等又は工事等について、道路における危険を防止し、又は交通の妨害を排除するため必要な措置をとることを命ずることができる。

一 第七十六条第一項又は第二項の規定に違反して工作物等を設置した者

二 第七十六条第三項の規定に違反して物件を置いた者

三 第七十七条第一項の規定に違反して工作物等を設置し、又は工事等を行なつた者

四 第七十七条第三項又は第四項の規定による所轄警察署長が付した条件に違反した者

五 第七十七条第七項の規定に違反して当該工作物の除去その他道路を原状に回復する措置を講じなかつた者

2 警察署長は、前項第一号、第二号又は第三号に掲げる者の氏名及び住所を知ることができないため、これらの者に対し、前項の規定による措置をとることを命ずることができないときは、自ら当該措置をとることができる。この場合において、工作物等を除去したときは、警察署長は、当該工作物等を保管しなければならない。

3 警察署長は、前項後段の規定により工作物等を保管したときは、当該工作物等の占有者、所有者その他当該工作物等について権原を有する者(以下この条及び第八十二条において「占有者等」という。)に対し当該工作物等を返還するため、政令で定めるところにより政令で定める事項を公示し、その他政令で定める必要な措置を講じなければならない。

4 警察署長は、第二項の規定により保管した工作物等が滅失し、若しくは破損するおそれがあるとき、又は前項の規定による公示の日から起算して三月を経過してもなお当該工作物等を返還することができない場合において、政令で定めるところにより評価した当該工作物等の価額に比し、その保管に不相当な費用若しくは手数を要するときは、政令で定めるところにより、当該工作物等を売却し、その売却した代金を保管することができる。

5 警察署長は、前項の規定による工作物等の売却につき買受人がない場合において、同項に規定する価額が著しく低いときは、当該工作物等を廃棄することができる。

6 第四項の規定により売却した代金は、売却に要した費用に充てることができる。

7 第二項から第四項までに規定する工作物等の除去、移転、改修、保管、売却、公示等に要した費用は、当該工作物等の返還を受けるべき占有者等の負担とする。

8 警察署長は、前項の規定により占有者等の負担とされる負担金につき納付すべき金額、納付の期限及び場所を定め、これらの者に対し、文書でその納付を命じなければならない。

9 警察署長は、前項の規定により納付を命ぜられた者が納付の期限を経過しても負担金を納付しないときは、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。この場合において、警察署長は、負担金につき年十四・五パーセントの割合により計算した額の範囲内の延滞金及び督促に要した手数料を徴収することができる。

10 前項の規定による督促を受けた者がその指定期限までに負担金並びに同項後段の延滞金及び手数料(以下この条において「負担金等」という。)を納付しないときは、警察署長は、地方税の滞納処分の例により、負担金等を徴収することができる。この場合における負担金等の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。

11 納付され、又は徴収された負担金等は、当該警察署の属する都道府県の収入とする。

12 第三項に規定する公示の日から起算して六月を経過してもなお第二項の規定により保管した工作物等(第四項の規定により売却した代金を含む。以下この項において同じ。)を返還することができないときは、当該工作物等の所有権は、当該警察署の属する都道府県に帰属する。

関連条文

この条文の中で参照している道路交通法の条です。

道路交通法施行令で、この条(法第81条)を引いている条です(クリックで条文を表示)。

道路交通法施行令第二十八条 (工作物等を保管した場合の公示事項)

法第八十一条第三項の政令で定める事項は、次に掲げるものとする。

一 保管した工作物又は物件(以下「工作物等」という。)の名称又は種類、形状及び数量

二 保管した工作物等の設けられていた場所及びその工作物等を除去した日時

三 その工作物等の保管を始めた日時及び保管の場所

四 前三号に掲げるもののほか、保管した工作物等を返還するため必要と認められる事項

道路交通法施行令の全文(e-Gov 法令検索)

道路交通法施行令第二十九条 (工作物等を保管した場合の公示の方法)

法第八十一条第三項の規定による公示は、次に掲げる方法により行わなければならない。

一 保管を始めた日から起算して十四日間、前条各号に掲げる事項を内閣府令で定める方法により不特定多数の者が閲覧することができる状態に置くとともに、これらの事項が記載された書面を当該警察署の掲示板に掲示し、又はこれらの事項を当該警察署に設置した電子計算機の映像面に表示したものの閲覧をすることができる状態に置く措置をとること。

二 内閣府令で定める様式による保管工作物等一覧簿を当該警察署に備え付け、かつ、これをいつでも関係者に自由に閲覧させること。

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道路交通法施行令第二十九条の二 (工作物等を返還するための措置)

法第八十一条第三項の政令で定める必要な措置は、次に掲げるものとする。

一 返還を受ける者にその氏名及び住所を証するに足りる書類を提示させる等の方法によつてその者がその工作物等の返還を受けるべき占有者、所有者その他工作物等について権原を有する者であることを証明させること。

二 内閣府令で定める様式による受領書と引換えに返還するものとすること。

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道路交通法施行令第二十九条の三 (工作物等の価額の評価の方法)

法第八十一条第四項の規定による工作物等の価額の評価は、当該工作物等の購入又は製作に要する費用、使用年数、損耗の程度その他当該工作物等の価額の評価に関する事情を勘案してするものとする。この場合において、警察署長は、必要があると認めるときは、工作物等の価額の評価に関し専門的知識を有する者の意見を聴くことができる。

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道路交通法施行令第三十条 (保管した工作物等を売却する場合の手続)

法第八十一条第四項の規定による保管した工作物等の売却は、競争入札に付して行わなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当するものについては、随意契約により売却することができる。

一 速やかに売却しなければ価値が著しく減少するおそれのある工作物等

二 競争入札に付しても入札者がない工作物等

三 前二号に掲げるもののほか、競争入札に付することが適当でないと認められる工作物等

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道路交通法施行令第三十二条 (保管した工作物等に関する規定の準用)

第二十八条から前条までの規定は、法第八十一条の二第二項又は第八十三条第二項の規定により保管した転落積載物等について準用する。この場合において、第二十八条中「法第八十一条第三項」とあるのは「法第八十一条の二第三項又は第八十三条第三項において準用する法第八十一条第三項」と、同条第二号中「設けられていた」とあるのは「在つた」と、第二十九条中「法第八十一条第三項」とあるのは「法第八十一条の二第三項又は第八十三条第三項において準用する法第八十一条第三項」と、同条第二号中「保管工作物等一覧簿」とあるのは「保管転落積載物等一覧簿」と、第二十九条の二中「法第八十一条第三項」とあるのは「法第八十一条の二第三項又は第八十三条第三項において準用する法第八十一条第三項」と、第二十九条の三中「法第八十一条第四項」とあるのは「法第八十一条の二第三項又は第八十三条第三項において準用する法第八十一条第四項」と、「当該工作物等の購入又は製作に要する費用、使用年数」とあるのは「取引の実例価格、当該転落積載物等の使用年数」と、第三十条中「法第八十一条第四項」とあるのは「法第八十一条の二第三項又は第八十三条第三項において準用する法第八十一条第四項」と読み替えるものとする。

2 第二十八条から前条までの規定は、法第八十二条第二項又は第八十三条第二項の規定により保管した工作物等について準用する。この場合において、第二十八条から第二十九条の二までの規定中「法第八十一条第三項」とあるのは「法第八十二条第三項又は第八十三条第三項において準用する法第八十一条第三項」と、第二十九条の三及び第三十条中「法第八十一条第四項」とあるのは「法第八十二条第三項又は第八十三条第三項において準用する法第八十一条第四項」と読み替えるものとする。

道路交通法施行令の全文(e-Gov 法令検索)

出典

このページは、e-Gov 法令検索で公開されている条文をもとに、内容をわかりやすく言い換えたものです。解説は条文を読みやすくするための要約で、法的な判断や個別の事例への当てはめを示すものではありません。正確な内容は、必ず原文(e-Gov 法令検索)で確認してください。法令は改正されることがあります。