道路交通法(道交法)の遵守は交通を円滑にし、交通安全には欠かせないものですが、完璧に守れている人はほぼいないのが現実です。
道交法は法律家でも解釈が分かれるぐらい難解というのも理由の1つですが、自動車免許の取得条件がそこまで厳しくないというのが大きいと思います。
我々ドライバーだけでなく歩行者や自転車含め道路利用者全員が、その前提で対応していくことが安全を守る為に重要だと私は思います。
今回はこの事について解説していきます。
この記事の目次
道路交通法を守るだけでは安全は守れない。状況に応じた柔軟な対応が必要である
まず、ドライバーに関する話からしていきます。
道交法は交通安全には欠かせない存在ですが、そこにばかり意識が行き過ぎるのも考え物です。
なぜなら、自分が道交法を守っていても、相手が守っているとは限らないからです。それが思わぬ事故を引き起こします。
「道交法では左折が優先!」と我を通したら衝突事故に…
交差点で左折車と右折車(対向車線)がいた場合、左折車が優先なのは常識ですよね。
しかし、右折車がタイミングを読まずに割り込んでくる場合があります。
この場合、「左折が優先だから!」と言って、右折車に進路を譲らなければどうなるでしょうか?
当然、衝突事故になりますよね。
これに近い状況の事故映像がYoutubeにありましたので紹介します(※字幕の一部に法解釈の誤りがあるので、字幕は無視して映像のみをご覧いただければと思います)。
クルマを運転していると、このような右折車の割り込みは頻繁にあります。
こういう場面に遭遇したら、「我先に!」と左折や直進をするのではなく、右折車に譲るという心構えでいることが大切です。交通安全は譲り合いが基本ですからね。
道交法を守れない人がいる前提で柔軟に対応する必要がある
上記のような事故は、全てのドライバーが交通ルールを100%守っていれば起きないですが、現実はそうはいきません。
冒頭で書いたように、免許取得条件が厳しくないので、知識・技能がドライバー毎に大きく異なるんですよね。そして、人間はミスをする生き物なので、どんなドライバーも常に100%を発揮出来る保証は無いのです。
だからこそ、『道交法を守れない人、ミスをする人が一定数いる』という前提で、柔軟に対応することが大切になってくるのです。
子供は真似しないで!横断歩道は歩行者優先だから飛び出すのも自由!?
続いて、歩行者に関する話をしていきます。
横断歩道は歩行者優先の聖域だから、我が物顔で飛び出すのは当然?
『横断歩道は歩行者優先の聖域』という話があります。
確かに、これは警察が公言している事実であり、ドライバーは歩行者を保護する義務があります。
ただ、一部にはこれを極端に解釈して、『歩行者が我が物顔で出てくるのは当然』という主張をしたり、それを実際に実行(左右確認せず飛び出す)してしまう人まで現れました…。
無信号横断歩道の手前数十メートルには♢マークがあります
それを確認した時点で徐行に移れば止まれますね
ドライバーが取るべき挙動は道交法第38条に明記されています
横断歩道は「歩行者の聖域」と警察も公言していますので我が物顔で出てくるのは当然です https://t.co/jqhH4S4mga pic.twitter.com/8tnmNafUVw— 🇯🇵熊野巫女🇯🇵【硬式】 (@kumano_miko35) January 12, 2024
見通しのとても良い横断歩道で轢き殺されるかと思いました。これが暴力行為じゃなかったらなんなの!?愛知では歩行者はウォーキングレコ義務化にして名古屋走りのドラレコに対抗した方が良い。#交通事故死者数ワースト県警愛知#おクルマ様至上主義社会愛知#豊田320ろ7#横断歩道歩行者妨害#暴力 pic.twitter.com/IfUama1bTQ
— 名古屋走り撲滅〜歩行者に未来を〜 (@SafetyNagoya) November 28, 2023
警察も歩行者に安全確認するよう啓発
警察が『横断歩道は歩行者の聖域』と言ったのは事実ですが、「我が物顔で飛び出しても良いですよ」「左右確認しなくて良いですよ」などとは一言も言ってないんですよね。
警察は『横断の際は左右の安全確認をするように』と注意喚起しているわけです。
聖域だろうとなんだろうと安全確認は大切です。子供の頃、誰もが両親からそのように教わってきたわけですしね。
どんなドライバーも不完全。ミスをする前提で歩行者は自分を守ろう
免許を持たない歩行者には知らない人も多いかも知れませんが、運転免許証を持っていても完璧な運転を出来る人はごくわずかです。警察ですらミスをすることはあります。
いくら『歩行者は保護される存在』だからと言っても、ドライバーが不完全な存在である以上、ミスがあるという前提で対応することが大切です。
具体例は挙げると、
- 横断する際は左右確認する
- 横断歩道以外の横断を極力避ける
- 横断の際は手を挙げて意思表示する
- 反射板や目立つ服装で自分の存在をアピールする
といった感じで、上のポスターにも描かれている事ですね。
ドライバーだけでなく歩行者も道路利用者の1人である以上、安全の為の協力はすべきだと思いますし、それが自身の安全を守る事にも繋がります。
ドライバーは安全運転評価アプリで運転技術の向上を
AIG損保から『AIG Drive』というアプリがリリースされている事をご存じでしょうか?
これは、ドライバーの運転技術を採点してくれるアプリで、高いスコアを目指せば必然的に安全運転に関する運転技術も向上するという優れものです。
私はまだ利用していないのですが、現在私が利用しているマツダ車の運転評価システム『i-DM』と似たようなものだと思います。
i-DMは車体に組み込まれたセンサーで計測・採点するのに対し、AIG Driveはスマホのセンサーで計測・採点するという違いがあります。
AIGドライブ入れて運転技術計測してみたけど、判定基準が違うのか、スマホのセンサーの精度の問題なのか分からないけど、だいぶi-DMと結果が異なる印象。何故かブレーキがめっちゃ低評価😇
※i-DMは先日撮ったもの pic.twitter.com/hzxI2vtEsz
— KAKERU@車とゲーム好き (@ks_product_com) January 17, 2024
短距離ですが検証してみたところ、ブレーキ操作だけi-DMとは異なる結果になりました。開発者もセンサーも異なるので、差異が出てきてしまうのは仕方ないかも知れませんね(でもブレーキ操作が低評価だったのがくやしい…w)。
また判定のタイミングにも違いがあって、i-DMはリアルタイムで「今のブレーキ操作は良かったよ」と判定してくれるのに対し、AIGドライブは運転の終了時にまとめて判定する形式となっています。
また、AIGドライブはGoogleマップ上に各種操作がマーキングされるので、「この交差点ではハンドル操作が荒かったな」と振り返ることが出来るのが良いと思いました。
利用は無料なので、ぜひドライバーの皆さんは、AIG Driveで運転技術を磨いてみてください。